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【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?③】モラハラする人って皆こんな感じなんでしょうか?

2024.09.30更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.モラハラ夫にはそれぞれタイプの違いなどがあると感じる


 私は数多くのモラハラ離婚事件を扱ってきましたが、その経験から言いますと、後述のように一定の共通点はあるものの、「それぞれタイプの違いがある」と感じることが多いです。

 例えば、サイレントモラハラですと、気に入らないことがあるとモラハラ夫はすぐに自室に籠ってしまい、妻側とのコミュニケーションがほとんど取れなくなってしまいます。これに対して、すぐに声を荒げてくるようなモラハラ夫は年中怒鳴り散らしてきます。他方で、こちらにきつい言い方はしないけれども、こちらのスケジュールや誰と会っていたのかについてしつこく聞いて来たり束縛してくるというタイプのモラハラ夫もいます。

 また、モラハラ夫はこれらの特色が複合的に絡んでいて、「一つだけの特色におさまらない」というケースも多いです。

 私がモラハラ離婚事件を担当していると、事件に応じて千差万別だと感じることが多いです。

 

 

3.モラハラ夫の共通点って?


 私も数多くのモラハラ離婚事件を担当しておりますと、モラハラ夫と直接会って、離婚を説得することも数多くあり、その中で感じるところがありますので、私がモラハラ夫と対峙している際に感じる共通項についてご紹介させていただきます。

 もちろん、共通点・特徴とは言いましても、その様な特徴は、あるモラハラ夫にはあるけれども、あるモラハラ夫にはほとんど見られないというように、個人差がありますが、「大半のモラハラ夫で見受けられる傾向」というものがありますので、以下でご紹介致します。

 

  

4.【弁護士から見たモラハラ夫の共通点1】自分の考え方に固執する・絶対正しいと考える


私がモラハラ夫と直接話をしてきた中で一番よく感じる特徴の一つと言えます。

 私の方からモラハラを指摘すると、大概のモラハラ夫は、「原因を作ったのは妻だ」とか「経緯があってこのようなことをしている」という言い訳をすることが多く、自分の非を認めない人が多いです。

 

 特にあなたとの同居生活での言動や行動の中に顕著でして、家事や育児、果てはあなたの働き方などについてまで「俺の言うとおり(方法)にやれ」「間違ったやり方をするな」「そんなやり方は聞いたことがないから、逆らわずにやれ」といった強要をしてくることが多いです(いわゆるマイルールの強要です)。モラハラ夫側があまりに自信満々で話をしてくるため、奥様の側も、「そうなのかな?」と思ってしまうことも多く、いつの間にかモラハラ夫の言う通りに行動等してしまっているということも往々にしてあります。
 なお、この特徴については、弁護士の前では明確に示して来ないというパターンもあります。と言いますのは、後述のように、モラハラ夫は外面が良い、というよりも、「他人からどのように見られているのかを非常に気にする」という人も多いので、「弁護士の前では大人しくしている」というパターンもあるのです。ただ、私が直接話をしておりますと、表情等から「何かを言いたげである」とか「全く納得している様子がない」という姿勢を読み取れることが多いです。

 

5.【弁護士から見たモラハラ夫の共通点2】内弁慶で外面が良い


 あまりよい表現ではないかもしれませんが、「内弁慶で外面(そとづら)が良い」と言う点もモラハラ夫によく見られる共通点・特徴と言えます。

 このような表現は、むしろモラハラ被害を受けている奥様からおっしゃられることが多いのですが「うちの夫は内弁慶で外面が良いんです。」と説明を受けることが多くあります。

 

 私は、モラハラ夫が家庭でどのように振る舞っているのか直接見ることはできないのですが、奥様から詳しくモラハラ被害の状況を伺っている限り、家庭の中と家庭の外ではかなり使い分けていると感じることが多くあります。

 奥様の話を聞く限り、「このモラハラ夫は社会に馴染んで仕事をできるのだろうか?」と不安に感じることもあるのですが、実際には高キャリアというケースも多くあります。

 

 このように内弁慶の人が多いからでしょうか、私がモラハラ被害を伝えても、モラハラ夫はその様なモラハラそのものを否定してくる場合もあります。

 また、私がモラハラ夫と話をしていると最初のうちは夫側も冷静に話をしているのですが、何度も話をしていると、段々モラハラ夫も本性を現してきて、語気が荒くなる、不合理な要求をしてくるといった傾向が見られることもあります。

 

 なお、極端なモラハラ夫などでは、家庭内だけではなく、職場でも頻繁にトラブルを起こしていて転職を繰り返しているとか、無職の期間が何ヶ月にも及ぶことがあるというケースもあります。その場合には、「内弁慶」というのは当てはまりません。

 

 

6.【弁護士から見たモラハラ夫の共通点3】言い逃れ・こちらに責任転嫁することが上手い


 これも、モラハラ被害を受けている奥様からよく聞かされるお話なのですが、言い逃れが非常にうまく、話しをしている間にうまく話をすり替えて、奥様の方が悪かったとか、奥様の方が原因になっているからモラハラ夫側は悪くないという方向の話になってしまうということも多いという話が出ることも多いです。これは、モラハラ被害を受けている奥様側に共通する点でもあるのですが、モラハラ夫に責められ続けてきたので、自信を無くしてしまっている方が非常に多いと感じます。これも、モラハラ夫側の責任転嫁の結果と言えます。

 私がモラハラ夫と直接話しをしていても、モラハラ夫側が急に全く違う話題を持ち出してきて、妻のこのような態度はどうだったんでしょうか?といった形で切り返してきたり、こちらの危機感を煽り、自分に優位に話を進めようとしてくることもあります。
 前述の通り、モラハラ夫は高キャリアのことも多く、弁が立つので、上手く言い逃れしたり、いつの間にか奥様側に責任転嫁しているということも往々にしてあるのです。
 もちろん、弁護士として話をする場合には、モラハラ夫側の話には流されませんが、このような特徴はモラハラ夫に共通する部分が多い項目といえます。

 

 

7.【弁護士から見たモラハラ夫の共通点4】(なぜか)被害者意識が強い


これもモラハラ夫と話をしていると思うことが多いのですが、(なぜか)モラハラ夫側の方が強い被害者意識を持っていることも多いです。
 こちらが、切々と奥様のモラハラ被害のことを話しているのに、モラハラ夫側は「妻の話はそうなのかもしれないのですが、私は妻が勝手に出て行ってしまって本当に精神的に苦しくてやりきれないんです。どうか妻と直接会って話をさせて下さい」とか「突如子供とも会えなくなって、仕事も手につかなくなっています。私はそこまでのことをしてしまったんでしょうか」といった返答が返ってくることも多くあります。
 奥様のお話とモラハラ夫側のお話を総合しても、明らかにモラハラ夫側の方が加害者だと感じても、モラハラ夫側は自分がされたこと・言われたことの被害者意識が非常に強いため、「むしろ迷惑をかけられているのは自分の方だ」という考え方の人が非常に多いです。
そのようなこともあって、奥様の方も、「同居中も、夫の被害者意識が強くて話が噛み合わないことが多かったです」とおっしゃることも多いです。

 

 

8.【弁護士から見たモラハラ夫の共通点5】急に怒り始めるため、怒り始めた原因が分からない


 これも、私がモラハラ被害を受けている奥様からよく聞く話なのですが、「うちの夫は、急にスイッチが入ると、怒鳴りつけてくるのですが、どうしてスイッチが入ったのかが分からないんですよ」という相談を受けることが多くあります。そのため、モラハラ夫の一つの特徴と言えると思います。

 

 モラハラの最も深刻な問題の一つともいえるのですが、このようにモラハラ夫が何時怒り始めるかが分かりませんので、奥様としては、常に緊張感を持って生活していかなければならず、それが大きなストレスの原因になることも多いです。しかも、後から聞いてみると本当に些細なことが原因であることも多く、奥様からしてみると「そんな些細なことであれだけ怒っていたの?」と困惑してしまうことも往々にしてあります。

 

 ただ、モラハラ夫によっては、こちらに暴力を振るってくる際に、自分が怒っている原因を告げてくることもあり、その内容で、相手が怒っている理由が分かるというケースもあります。しかしながら、前述のようにモラハラ夫は独自の考え方を持っている人も多いため、モラハラ夫の説教を聞いていても、こちらとして、何故その様なことで怒るのかが理解できないというケースも多くあります。

 なお、弁護士に対しても同様で、モラハラ夫の説得のために何度か話をしていると、モラハラ夫が急に怪訝な顔をし始めるとか、こちらの話を誤解して急に立腹し始めるという方もいます。ただ、弁護士の手前ということもあるのか、モラハラ夫が私に対して直接怒鳴りつけてくるような事態はケースとしては少ないです。

 

 

9.【弁護士から見たモラハラ夫の共通点6】急にやさしくなることがある


これも、私がモラハラ被害を受けている奥様からよく聞く話なのですが、モラハラ夫の態度が豹変するという話になります。

 

 極端なケースですと、昨夜は、こちらを殺すとまで怒鳴ってきていた人が、翌朝には、和気藹々と話しかけて来るというケースもあります。

 最初のうちは、奥様の方も、モラハラ夫の機嫌がよい分には助かると考えるのですが、モラハラ夫の機嫌があまりにコロコロ変わるので、段々と心理的に疲弊してしまう人も多くいます。

 

 なお、モラハラ被害を受けている方の中には、このようにモラハラ夫が急に優しくなることがあるため、モラハラ被害を受けていても「また優しい夫に戻ってくれる」と考えて、ズルズルと離婚を先延ばしにしてしまう方もいます。

 ただ、このように問題を先延ばしにしてしまいますと、モラハラ行為がエスカレートしていき、深刻な被害につながりかねませんので、「また優しい夫に戻ってくれる」という幻想は捨てた方が良いと思います。

 

 このようなことは、弁護士である私の目の前でも行われることがあります。例えば、モラハラ夫がお子様の運動会への参加を強く希望しており、そのような希望が叶った後は、私に対しても異常なまでに上機嫌であるといったこともあります。

 

 

10.【弁護士から見たモラハラ夫の共通点7】絶対に自分から謝らない


 これも、奥様からよく話が出る事項の一つなのですが、モラハラ夫は謝らない、ということが言えます。
 実際に、別居を開始したり、弁護士を介して離婚を切り出す場合には、離婚を避けるために、形式的に謝罪の言葉を述べてくることもあるのですが、そうでもしないと「絶対に謝らない」というモラハラ夫は多いです。
 なお、モラハラ夫も言い過ぎたと思ったときなどには、翌日プレゼントを買ってくるとか、急に家事を手伝ってくるとか、一定の態度の変化が出てくることはあるのですが、絶対に言葉では謝らないということを貫くことも多いです。また、夫婦喧嘩になった時にも、いつも奥様の方から謝って終わるとか、あやふやなまま終わらせて、結局モラハラ夫は謝らないということも多いようです。このようなことが続くことで奥様の方もどんどんと自信がなくなっていくとか、違和感が心のうちに徐々に積もっていくといった悪循環に陥っていくことも多いです。

 

 

11.【弁護士から見たモラハラ夫の共通点8】妻や子供のことを監視・制限したがる


 これもモラハラのケースを扱っているとよく聞く話なのですが、奥様の行動等を制限したり、監視・支配したがる、もしくは、お子様の行動を制限等したがるモラハラ夫は多いです。
 このような制限の態様は大小あるのですが、極端なケースですと、妻に携帯電話を持たせてくれないというケースもありました(もしかしたら男性と会話するかもしれないから、携帯電話は持たせないと言うのです)。また、お子様との関係では、お子様の習い事や部活動などに事細かく指図してくるというようなケースも多いです。

 このような監視・制限の厄介なところは、モラハラ夫側が、妻や子供に対する愛情だとか、妻や子供のためを思ってやっていると誤解していることが多いという点です。こちら側が不満を述べると、夫側は「妻や子供達のためを思ってやっているのに」と言って逆上してくるケースが多いのです。
 なお、私がモラハラ夫と対峙していて、この「監視・制限」については、人によって個人差が非常に大きいと感じる項目でもあります。前述の奥様に携帯電話を持たせないというのは最たる例ですが、非常に監視が厳しいご家庭もあれば、監視が緩いご家庭もありまして、「程度の差が大きい」と感じるのです。

 

 

12.【弁護士から見たモラハラ夫の共通点9】離婚理由を理解しようとしない


 これは正確には「理解できない」という方が正しいかもしれませんが、こちらから奥様が離婚したがっている理由を説明しても、相手が理解できないケースが多くあります。これは、モラハラ夫の方も多少は理解しているのですが、離婚するほどの話ではないと考えるケースと、そもそもこちらの話にピンと来ていないというケースがあります。

 

 なお、モラハラ夫が相手の場合、こちらが離婚したいと考える理由をきちんと正確に理解させることは難しいことが多いため、奥様の方でやり直すつもりが全くないということを伝えて離婚の説得をすることが多いように感じます。

 また、「妻の言うことも分かりますよ」といいながら「だけど、…」と自分の言い分を主張して、結局問題の根本を全く理解していないというケースも数多くあります。

 

 

13.まとめ


〇弁護士としてモラハラ夫と対峙しているとその人によってタイプの違いなどがあると感じることが多い。

〇ただ一定の共通点を見出すことができ、弁護士から見たDV夫の共通点は以下の通り

 ・自分の考え方に固執する・自分の考えが絶対に正しいと考える。

 ・内弁慶で外面が良い。

 ・言い逃れ・こちらに責任転嫁することが上手い。

 ・(なぜか)被害者意識が強い

 ・急に怒り始めるため、怒り始めた原因が分からない。

 ・急にやさしくなることがある。

 ・絶対に自分から謝らない。

 ・妻や子供のことを監視・制限したがる。

 ・こちらの主張する離婚理由を理解できない・理解しようとしない。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?②】何がきっかけでモラハラに気付いたのか?

2024.09.23更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.モラハラに長年気付かずに結婚生活を送っている方も多い。


 私が相談に乗っておりますと、夫からのモラハラに気付かずに10年以上または、熟年離婚のケースですと20年以上も結婚生活を送ってきたという方もいらっしゃいます。

 夫があなたに暴力をふるってきたり、他の女性と浮気したといったケースですと、流石にあなたが我慢すべき話ではないと感じて、離婚や別居を真剣に考えるケースが多いのですが、元々、モラハラは「見えにくい」側面があります。

 また、モラハラ夫は、自分の考えや行動・言動が正しいと信じ切っている人間が多く、そのような夫の態度を見て、あなた自身、「間違っているのは夫の方ではなく、私の方なのかしら」と感じてしまうことも往々にしてあります。

 更に、このようなモラハラが一定期間続きますと「よそのことは知らないけれども、うちはこんなものよ」とか「夫はいつもこうだから」ということで、言わば感覚がマヒしてしまっているということもあります。

 

 

3.皆さんは何がきっかけでモラハラ被害に気付いたのか?


 私が多数のモラハラ離婚案件を扱っている中で、皆さんが何がきっかけとしてモラハラ被害に気付いたのかをご紹介します。あなたの置かれている境遇がモラハラなのかを考えるきっかけになさって下さい。

 なお、以下は、広く私の依頼者や相談者に対して個別に質問をして回答を得たといったものではなく、実際にお話を聞いたり、直接事件を処理している中で、感じたところを記事にしたものです。そのため、モラハラ被害に気付いたきっかけについて統計的に整理したものではないので、この点は予めご容赦下さい。

 

(1)【モラハラ被害に気付いたきっかけ①】体調が変調し始めた

 私が相談に乗っておりますと、モラハラ被害がきっかけで体調が悪化したという方が比較的多い印象です。

 体調の悪化がひどい方ですと、既に心療内科に通っていて、適応障害やパニック障害、不安神経症等、正式なメンタル不調の診断が出ているケースもあります。

 そこまで行かないまでも、(医者にかかるほどではないけれども)動悸・息切れ・吐き気がするとか、日によって倦怠感がひどい、夜寝付きにくくなったといったケースもあります。

 また、普段の生活には全く悪影響がないけれども、夫が帰ってくると、常に緊張が走るとか、夫がいると体がだるくて重くなると感じる方もいらっしゃいます。

 特に、前述のように心療内科医に夫のことを相談すると、モラハラに該当するとアドバイスを受けることも多く、そのことで、モラハラだと確信することも多いです。

 

(2)【モラハラ被害に気付いたきっかけ②】ママ友などと話をしていて違和感を覚えた

 ママ友などと話をしている中で、そのママ友の普段の生活の様子などを聞いた際に、あなたの普段の生活の様子とあまりにも違うということで違和感を覚えるケースです。

 夫婦二人だけの生活だと気付かなかったけれども、お子さんが生まれて、ママ友と接点を持つようになった後に、違和感を覚えるのです。

 これまでは気軽に話したり相談できる相手がいなかったけれども、ママ友など気軽に相談できる相手ができて、モラハラに気付くのです。

 なお、そのママ友と家族ぐるみの付き合いをしている場合には、モラハラ被害に気付きにくくなる要素になる危険性がありますので、注意が必要です。と言いますのは、モラハラ夫は非常に外面が良いことが多いため、あなたが違和感を覚えて、そのママ友に相談しても、そのママ友から「おたくの旦那さんは、よくできた旦那さんじゃない」などと返されて、逆にモラハラ被害に気付きにくくなってしまうことがあるのです。

 

(3)【モラハラ被害に気付いたきっかけ③】テレビなどを通じて気付いた

 一昔前までは、モラハラという言葉そのものがあまり身近ではなく、「モラハラなんて言葉聞いたこともない」という方も多くいました。

 ただ、最近は、ハラスメント全般が脚光を浴びるようになって、テレビのドキュメンタリーやドラマなどでもハラスメントやモラハラが取り上げられるようになりました。

 このようなテレビなどの情報を通じて、モラハラがどのようなものなのかを詳しく知って、自身がモラハラ被害を受けてきたことを認識するのです。

 

(4)【モラハラ被害に気付いたきっかけ④】行政機関などに相談して気付いた

 これまであまりモラハラという言葉を意識していなかった場合、そのような言葉は知っていても、まさか自分がモラハラ被害に遭っているとは思わなかったという方も多くいます。

 ただ、うすうす違和感を覚え始め、どこかに相談して確かめてみたいということで、行政の相談センターなどに相談してみて、「それはモラハラだ」と伝えられるというケースもあります。

 

 

4.大事になってくるのは、今後どうすべきか


 前述のように結婚期間が長い場合には、その間ずっとモラハラ被害を受け続けてきたことに気付き、強い精神的ショックを受けることも多いと思います。

 ただ、これから大事になってくるのは、このようなモラハラ夫がパートナーだという現実を受け止め、今後どのようにしていくべきか、ということだと思います。

 もうこれ以上一緒に生活することができないということであれば、離婚に向かっていくことになります。他方で、もう少し夫と話をしたいという場合には、夫と向き合って、どうしていくかを相談していくという選択になるかもしれません。

 いずれにしましても、夫のモラハラ行動をそのままにしておくということはできないと思いますので、それをどのように解決・解消していくかを考えていくことになります。

 

 

5.まとめ


・モラハラに長年気付かずに結婚生活を送っている方も多い。

・私のところに相談に来られる方は、以下のようなことでモラハラに気付いたとおっしゃっている。

  • 体調が変調し始めた
  • ママ友と話をしていて違和感を覚えた
  • テレビなどを通じて気付いた
  • 行政機関に相談して気付いた

・大事なことは今後どのようにしていくかである。

 

 

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【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょう?①】何がきっかけで別居・離婚を決意したのか?

2024.09.16更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.別居・離婚をすべきか迷いながら相談に来られる方も多い


 私のところにモラハラの件でご相談に来られる方の中には、①夫の行動や言動が「モラハラ」に当てはまるのか、②モラハラに当てはまるとして別居・離婚すべきかを相談に来られる方も多くいます。

 そのようにご相談に来られる方には、夫の行動や言動がモラハラに該当するのか、該当するとして、重症なのかと言った点をアドバイスさせて頂くことが多いです。

 ただ、そのようなご相談の中で「他の皆さんはどうなさっているんでしょうか?」という質問をお受けすることも多いです。

 

 

3.ほかの皆さんは何を直接のきっかけとして別居や離婚を思い立ったのか?


 私が多数のモラハラ離婚案件を扱っている中で、皆さんが何を直接のきっかけとして別居や離婚に動き始めたのかをご紹介します。あなたが今後いつどのようなタイミングで別居や離婚に動くのかの参考になさって下さい。

 なお、以下は、広く私の依頼者や相談者に対して個別に質問をして回答を得たといったものではなく、実際にお話を聞いたり、直接事件を処理している中で、感じたところを記事にしたものです。そのため、別居・離婚を思い立った事情を統計的に整理したものではないので、この点は予めご容赦下さい。

 

(1)【別居・離婚を思い立った直接の引き金①】一線を越えた行動があった

 お話を伺っていると、別居の直接の引き金となるような夫の行動等が存在するケースは多いです。

 例えば、これまでは、暴言ばかりだったが、ある日直接暴力があったとか、物の破壊行為があったといったケースです。

 暴言だけなら誤魔化しながら生活していたけれども、暴力や破壊行為にまで至ると一線を越えており、もう一緒に入られないと考える方は多くいます。

 このような「一線を越えた行動」は、あなた自身に向けられたものではなく、お子様に向けられることもあります。これまでは、ひどい叱責だったものが、お子様に手を上げるといった行動に出てしまうのです。

 一緒に生活していると、お子様が傷ついて行ってしまうので、別居を決断したという方も多くいます。

 

(2)【別居・離婚を思い立った直接の引き金②】あなた自身の体調不良

 夫からのモラハラはだんだんとエスカレートして行くケースが多く、我慢を重ねていく中であなた自身の体調を崩してしまうこともあります。

 不眠・動悸・倦怠感・目まい・頭痛・吐き気・息切れ・冷や汗・急に涙がこぼれて止まらないなど・体がこわばってしまう・緊張が取れずに疲れやすい等、様々な身体症状になって表れることもあるのですが、心身の不調が体の不調となって表れてしまうのです。

 このような症状が、夫の帰宅時に顕著に表れるとか、実家に帰省していると症状が出ないというような場合には、モラハラが原因であることが多いため、そのような症状が辛くて別居・離婚を思い立ったという方も多くいます。

 このように心身の不調が出てしまっているような場合には、私の方からも、なるべく早く別居を始めたほうが良い旨アドバイスすることが多いです。

 

(3)【別居・離婚を思い立った直接の引き金③】子供に異変が生じ始めた

 夫からのモラハラがエスカレートもしくはモラハラが積み重なることでお子様に異変が生じてしまうことがあります。

 お子様は、自身の父親に対する愛情も有していて、自身も父親からの愛情を欲しているのが通常です。

 しかし、モラハラ被害を受け続けることで、様々な心理的葛藤を生じやすいとされています。

 そのことでお子様がメンタル的に不調に陥ってしまったり、モラハラ夫の真似をし始めてしまうということもあります。

 このような事態を目の当たりにすることで、お子様のためにも別居するしかないと決断なさる奥様も多いです。

 

(4)【別居・離婚を思い立った直接の引き金④】一度目の約束が反故にされた

 このケースは、過去に一度別居や離婚話になって、夫側が謝罪してきたのに、その数年後などにまた同じことが起きてしまった、と言ったケースです。

 夫婦関係は通常の家庭でも常に円満かと言いますと大なり小なり様々なことがあることの方が多いと思います。

 そんな中で、夫婦での大きな衝突があり、もしくは、あまりにもあなたが心理的に傷つけられることがあって、一時家出や別居、離婚の本格的な話に至ってしまったということもあろうかと思います。

 ただ、そのときは、夫側が謝ってきて反省している様子があったので、一旦離婚を見送ったのに(この時に誓約書や手紙などを書かせていることも多いです)、数年後に同じことが再燃してしまったというのが本件のケースです。

 そのような場合には、奥様の方も「もう二度目なので許せません」とおっしゃる方が多いです。

 

(5)【別居・離婚を思い立った直接の引き金⑤】行政機関からのアドバイス

 弁護士よりも身近な存在として、区役所・市役所や保健センター(通常はお子様の乳幼児健診の際などに相談)、男女共同参画局のDV相談プラスに相談し、別居を勧められたので、そのことが最後の一押しになったという方もいます。

 また、もっとひどいケースですと、警察や児童相談所に相談する事態に発展し、警察や児童相談所から別居をアドバイスされたという方もいます。

 行政機関から中立のアドバイスとして別居を勧められたということが大きな一押しになることも多いと思います。

 

(6)【別居・離婚を思い立った直接の引き金⑥】タイミングを探っていてこの時期になったというケース

 モラハラ行為・言動は積み重なっていって、「いずれ別居しかないな」と思ったとしても、今すぐなのかについては迷ってしまうというご相談を受けることも多いです。

 そのような方たちがよく口になさるのは「タイミング」ということでして、どのようなタイミングなのかと言いますと、例えば、①お子様が小学校に上がるタイミングで、別居生活をスタートさせるとか、②ちょうど夫が数週間出張で家を空けるので、良いタイミングだと思ったとか、③ちょうど下の子が生まれたばかりで育休中なので、職場復帰する前に別居に動こうと思ったとか、④ご年配の方ですと、夫がそろそろ定年で、一日中自宅にいる生活は想像できないということで、その少し前に別居するなど、タイミングを見計らって別居するという方も相当数います。

 このようなケースは、「今すぐ別居しなければならないというほどではない」という方が多いと思います。

 

(7)別居後の言動が「決定打」になることも

 私が事件以来を受ける際には、ほとんどの方が離婚を決意なさっているのですが、たまに、関係修復すべきか迷っているという方もいます(本当にごく少数ですが)。

 ただ、別居後の夫からの心無い言葉や反省のない態度に触れて、そのことが言わば「決定打」になって離婚の決意を固めてしまうというケースも多いです。

 

 

4.弁護士としては、離婚するかどうかは慎重に検討して欲しい


 もちろん、ひどいモラハラ行為が繰り返されてきたような場合には、決して離婚を躊躇すべきではありません。

 ただ、離婚は法律的には夫婦を単なる「他人」にしてしまう手続きなので、私は極力慎重に検討して欲しいというお話をすることが多いです。

 これは、離婚することに「憶病になりなさい」と言いたいのではなく、「あとから後悔しない選択をして欲しい」という意味合いになります。

 

 

5.まとめ


・私が相談・依頼を受けた事例を分析すると、別居・離婚を思い立った直接の引き金には複数のケースがある。

・実際の引き金としては以下のようなものがある。

  • モラハラ夫の一線を越えた行動があった
  • あなた自身に体調不良が生じていた
  • お子様に異変が生じてしまっていた
  • 一度目の約束が反故にされた
  • 行政機関からのアドバイス
  • タイミングを探っていたこのタイミングになった

・弁護士としては離婚すべきかどうかは慎重に検討して欲しい

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【絶対に離婚したくない(33)】相手からの離婚調停(8)―相手弁護士がいきなり調停を起こしてきた思惑は?

2024.09.02更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後の最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。
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1.相手弁護士がいきなり調停を起こしてきた!!


 今回のブログは、相手弁護士が、あなたに対して、事前に何らの連絡等をせずに、いきなり調停を起こしてきたケースを想定して解説します。
 即ち、事前に相手弁護士からあなたに対して手紙での連絡や電話での連絡等が一切なく、いきなり、裁判所から調停の書類が送られてきたというケースについて解説するものです。

 

 

2.【相手弁護士の思惑①】自身の言い分にかなり自信を持っているのか?


 上記の通り、あなたのもとにはいきなり裁判所からの書類が届いてしまいますので、びっくりしてしまうという方が大半ではないかと思います。
 私のところにも、このように驚いて、ともかく事態を把握したいので相談にいらっしゃるという方も多くいます。
 このようにご相談に来られた方がよく口にするのが「これは、よほど自信があるからいきなり調停を起こしてきたんですよね」というご質問です。
 要するに、相手が自身の言い分にかなり自信があるから、離婚協議等を経ずにいきなり調停を起こしても大丈夫だと考えた、という発想のようです。

 

 しかし、離婚調停手続きは、裁判所を利用しますが、あくまで話し合いの手続です。

 そのため、自身の主張に自信があるかどうかとはあまり関係がないというケースの方が多いと思います(要するに、裁判の手続でしたら、普通はかなり自信がないといきなり裁判は起こしてこないと思いますが、裁判と調停は別の手続ですから、同じようには考えられないということです)。

 

 

3.【相手弁護士の思惑②】相手弁護士の普段のスタイルなだけ


 上記の通り、いきなり裁判所から封書が届くとあなたはかなり驚くと思いますし、それは当然の反応だと思います。
 ただ、実際相手弁護士の様子を見ていると、何か特別な思惑があってやっているというよりも、相手弁護士の普段のスタイルなだけであるということがかなり多い印象です。
 つまり、弁護士には、それぞれ自分なりの仕事の進め方がありますが、今回相手が雇った弁護士は、離婚事件を処理する際には、離婚協議等はせずにいきなり調停を起こすという進め方をしているということです。

 

 そのため、相手弁護士としてみれば、特に特別な進め方をしているという認識はないのです。
 私がご相談を受けている印象ですと、最近は、このようにいきなり調停を起こすという進め方をする弁護士がかなり増えてきているよう印象です。
 そのため、いきなり調停を起こされたからと言って、それほど不安に感じなくても良いと思います。

 

 

4.【相手弁護士の思惑③】相手の言い分がDV等の場合


 前述のように、相手弁護士が普段からいきなり調停を起こすというスタイルではなかったとしても、今回については理由があって、いきなり調停を起こしてきているというケースもあります。
 このような理由としてよく挙がるのが、DVのケースです。
 要するに、相手の言い分だと、「夫からのDVがひどい」とか「妻はヒステリックで暴れ始めると手が付けられない」というものなので、弁護士も、話し合いによる解決は難しいだろうと判断して、いきなり調停を起こしてきているのです。
 もちろん、離婚協議が順調に進んで、協議離婚によって解決できれば、その方が時間の短縮になるというメリットがあります。しかし、話し合いの可能性が低い場合、協議離婚にかけている時間は、かえって早期解決の妨げになることもあるのです。
 また、調停という裁判所の手続中であれば、こちら側の行動を一定程度牽制できると、相手が考えているケースもあります。

 

 

5.【たまにある誤解】裁判所は妻側の言い分を全てそのまま認めてしまっている


 たまに、私のところに相談に来られる方の中に、「裁判所が調停を認めたということは、裁判所も相手の言い分を認めているんですよね」と考えている方もいますが、それは完全なる誤解です。
 裁判所は調停申請を受け付ける際に、書類に不備がないかの確認しかしませんので、申立人の言い分が正しいかどうかについて一切審査していません。また、調停を起こす際に、申立人側は自分の言い分の裏付けを通常提出しませんから、裁判所側は、申立人側の言い分が正しいかどうか判断する余地もありません。
 いずれにしましても、前述の通り、調停手続きは話し合いの手続ですから、調停委員や裁判官が予断や先入観をもって調停期日に臨むということはありません。

 

 

6.怯む必要はないし「あなた自身の人生」という視点で方向性を検討すること 


 前述のようにいきなり調停の書類が届いてしまいますと、あなたもかなり不安になってしまうと思います。

 しかし、ここまででご説明してきました通り、いきなり調停を起こされたからと言って怯む必要は全くありません。

 法律上は、離婚が成立してしまいますと、妻(夫)は他人になってしまいます。それだけ離婚は重大な効果を持つものなのです。

 そのため、今後のあなたの人生のことも考え、後から後悔しないような選択をした方が良いと思います(復縁を諦めきれないのでしたら「離婚したくない」とはっきり言うべきだと思います)。

 

 

7.まとめ


・妻側弁護士が特に自信があるから調停を起こしているというわけではないことも多い。
・いきなり調停を起こすことが普段のスタイルだという弁護士もかなり増えてきている。
・妻側の言い分がDVというような場合には、いきなり調停を起こすケースも多い。
・調停申請の際に、詳しい審査はしないので、裁判所が妻側の言い分を認めたわけではない。

・怯む必要はないし「あなた自身の人生」という視点で方向性を検討すべきである

 

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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